エリックホッファー自伝

二年前のこの時期に友達からホッファーのことを教えられ本を送ってもらったことがある。ホッファーは沖中氏の哲学者と称される在野の哲学者で、一般的な教養を受けないまま独学で図書館などで勉強をし、亡くなるその年に大統領勲章をもらったアメリカの社会政治学者だ。

彼は定職という定職につかないで、季節労働者としてアメリカの農場をまわったり、港の労働者として働き、働いた後は図書館に行って勉強する生活を続けた。生涯にわたって大きな重要さを指名ているのは日雇い労働者としてだった。

彼は若いころ目が見えなくなる事態に直面をし、更に父が亡くなる。そして驚いたことに突然目が見えるようになるという奇跡が起こる。ホッファーはこの体験から目が見えなくなる恐怖から目が見えなくなるその時まで特書を続けた。亡くなった父が残したわずかばかりのお金を携えてニューヨークからカルフォルニアをいく。

さてホッファーが取り分けてすごいのは高等教育をうけておらず、日雇い労働が終わった後に図書館で読書に耽る生活を生涯にわたって続けたことにある。したがって型にはまった秀才ではない。その上で、高等教育を受けて研究職になり社会的な要請と個人的に実現したいことから地位を得た人ではない。なおかつ、彼がそもそも大統領勲章をもらいたかったかどうか、個人的にはわからないと思う。好きに勉強をしていたら社会から勝手に認められて、差し上げると言われたから受け取った具合だと考えるからだ。

またホッファーは季節労働者や日雇い労働者とたくさんの話をしたことが日記などで垣間見ることができる。そこには哲学的な話をする労働者や社会規範にあえぐ人など、普段の生活で接することができた生活者達がいる。そのような人たちとの対話から、社会に対して怒りや規範を変えたい欲が芽生えてくるのは当然のことだと思う。
なぜなら彼は社会不適合者としての価値観を愛していただろうし、傷つきを覚えるのは誰かのせいにして、社会を作り出しているであろうインテリ達へ皮肉を行なった。

一方で彼は社会不適合者という価値観を愛しながらも、憎んでいたか、はたまた馴染めなかったのではないかと推察をする。社会批判をする時は、自分に帰属意識や安心感が持てない時にしばしば起こるからだ。さらに彼は社会と、人とどのように付き合ってゆけば良いのかわからなかったのではないか。ホッファーが３０代のころ、日雇い労働者としってある街で過ごした時に、ホッファーのことを好きになった女性が現れた。彼女はホッフォーが街に残ることを希望し、彼に伝えてあった。また彼自身も残りたいと思た。が、「まだ留まるわけにはいかない」と彼女に別れの挨拶をしないまま街を立ち去る。ただ、ホッファーのなかで彼女の存在は非常に大きかったことを自伝に書き記してある。あのまま街に残っていたらなど、尾を引かれる思いのことを。
それらのことを鑑みると、ホッフォーは一定の距離感の中でしか労働や社会や対人関係を営めなかったと考えられる。自分の中のミスフィット・社会不適合者を乗り越えるような形が彼の根源である、村上は述べる。