「かわいいをめぐる攻防」
http://sprachen.diarynote.jp/201609132006455799/

かわいいという言葉の使い方には、歴史と文化が色づいている。
最近OOハラスメントを無くす啓蒙がなされている。そこで年齢のハラスメントについて「かわいい」を関係させて論じたい。(根拠が薄いのは情報・知識不足、でも書く)
「かわいい」の語源は上記のブログのリンク先を参照されたし。

最近ラジオを聴いていて、パーソナリティとレポーターとの間でハラスメントが生じたと思うところがあった。レポーターが好きで熱心な球団をレポートしている時に、パーソナリティは「若くてかわいい」から点数を上げますと発言したところ、レポーターの声は引きつったように「若いからですかぁ」と感想をこぼした。

レポーターは20代前半ながらも、頑張って仕事をしている様が毎回聴き取れるようだった。しかし、パーソナリティはレポーターが仕事に対して大事にしてきたであろう努力や誠意を「かわいい」という一言で粉砕してしまったと、小生には思える。

かわいいの用法は立場や力が強いものから弱いものへと流れる性質があった。
しかし現代の用法には「キュート」「プリティ」や「素敵」という意味もあり、受け手が持っている「かわいい」に対する認知(シェマ・スキーマ)が異なると、ディスコミニケーションになりやすい。

その例として、ある男性が一回り年上の女性と夜を過ごしている時の話を聞きました。、行為中に男性は女性に「かわいい」と言われて、とても困惑をしたらしく、これはどう受け止めたらよいのか頭から離れなくなったそうです。女性は好意として「かわいい」といったといったそうです。しかし、彼曰く「頑張ってるのに...」
単純な好意として受け取ればいいのか、技術的に幼いのか。また、かわいいと言われるとは思ってもみなかったそうです。これは従来の男性から女性への用法でしょう。
(この話を聞いた時に、若いのに少し古い考え方をしてるんだなと思いました。そして彼の男性性がしばらく折れたのは言うまでもないでしょう)

「かわいい」の用法には特徴があります。
それはラベル付け(評価)です。かわいいとラベル付けしたものを共感してくれそうな人と共感をする。かわいい対象を指示して同じ感覚を味わう。共感ができなければ受容に移り、コミュニケーションの円滑化に移行する。

ここで侵害性の「かわいい」が立ち現れてきます。すごい・あつい・いたい・などの評価をもつ言葉は「かわいい」よりも侵害性が低いと考えます。感性の違いがあると思いますが、基準が明確にある一方、「かわいい」用法と意味の違い、話してと受け手の認知(これはどこにでもあるけれど)の錯誤があり、解釈が非常に難しい。現代日本人は曖昧さを嫌うのに、曖昧さを活用するのは自分に納得する情報を与えたいから。(みんな大好きシロウト理論)

また言葉は人の認知をかえて文化になります。
過去の日本人がかわいそうである様をかわいいといい、かわいいの意味構造を「かわいそう」から庇護が必要な対象へ切り替えて、また現在の「可愛い」に変化させたのは驚愕するところでしょう。現在の「可愛い」からかわいい対象や物を作る文化に発展したのではないか、そして日本人の鍵概念である「甘え」と織られるように「かわいい」の用法と意味が変化して、侵害性を持つようになったのではないかと仮説を立てます。

つまり「かわいい」という言葉があるから年齢ハラスメントが生じる。
(かわいいって言葉がなかったら、世界はどんな風になっていたのだろう)

日本は文化的にはもともとの「かわいい」の用法どおり、男性・立場が上から女性へ・立場が低い方へ文化観があったため、グローバル化が進む昨今では、欧米の文化や規範をそのまま輸入してしまい、男女平等や公正明大などの輸入した文化の統合が甘くなされていない。ある種無批判な状態で生き難くさが生じていると主張します。


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【脱線話】
デート代どちらが払う?っていうテーマだけで何時間も議論になるあたり、文化観や態度を考え尽くしていない未熟な証拠だと思います。男女平等の上なのに、支払いが片方に多く増えて、愛されていると知りたいから支払いを求める。「甘え」










上の文章を読んで男女平等なのに男性の支払いが増えて女性は知りたいから、と村上は書いていないですよ?読めたところにミソがありますね!

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